ドアを閉めた瞬間、化学室からの音が遮断されて二人だけの静かな空間になった。
「廊下はやっぱ寒いな」
「うん」
「私立は廊下にも暖房付いてるとこあるらしいよ」
「そうなの? 羨ましい」
だよなーって笑う葛西くん。
普通に話してるけど、どこか意識してる自分がいる。
キス……したから。
あとは、瑞季くんとの繋がり……とか、色々。
「見て、息白い」
私の歩調に合わせるようにゆっくり歩いてくれてる葛西くんは、急ごうなんて気はちっともないらしい。
「あさひちゃんて、いつまで経っても他人行儀だね。俺に」
「……知り合ってまだそんなに経ってないよ」
「一緒にいた時間なんて関係ない。短くたって愛は生まれる」
「……」
なんだか意味深に聞こえてしまって、何も返せなかった。
黙っていると、また葛西くんが口を開く。



