幼なじみのフキゲンなかくしごと



「……なに?」

「いやー? ちょっと試してみてるだけ」



そっと腰のあたりに腕を回されてドキッとする。


特に意味はないボディタッチかもしれないけど……葛西くんは日常的にこんなことしてるのかもしれないけど。



「あの、近くない?」

「わざとだよ」


耳元で囁かれた声はなんだか色気たっぷりで、肩がビクッと上がってしまった。


皆、いるのにやめてほしい……。



「離れて……」

「あとで殺されるかもなぁ俺」

「え?」

「なんでもないよ。行こ?」



お互い小声で話してるから、周りの人には余計に怪しまれるんじゃないかと別の意味でドキドキしてくる。


教卓前まで行くと、案の定「遅い」
としかられた。



「プロジェクター忘れたから取ってきて。職員室の俺の机の下にあるから」



本番直前にどれだけのん気なんだろうと呆れるけれど、口に出すわけにも言わず黙ってうなずいた。



「じゃ、よろしく。ちょっとくらい遅れてもいいからな」


そんなテキトウな言葉で教室外に送り出された私たち。