「今だって北野さんと放課後の約束してた。あいつ最近、相当遊んでるよ? 同級生だけじゃない、来る者拒まずだし」
「……」
「今すぐ嫌いになれってのは難しいかもしれないけど、他の男に目を向けるのもありだと思うよ」
「……う、ん」
うんって、そう答えるのが精一杯。
瑞季くんと仲いい山崎くんにまでそんなこと言われて、頭の中がもういっぱいいっぱい。
「……ごめんね、本当は応援したいんだ。中瀬さんのこと……、あいつのことも」
それだけ言うと、また足をはやめて瑞季くんの隣に戻って行ってしまった。
もうすぐ化学室だ。
目の前に並んでる2人の距離は、相変わらず近いまま。
金曜日のことなんて忘れてしまいたい。
瑞季くんのこと、好き。
でもほんのちょっとでも期待させるような態度をとる……
優しい瑞季くんはきらい。



