「眠い……バッグ重い」

「寝不足?」

「じゃないけど謎に眠い」

「あははっ。あるよね、そういうとき」



疲れた果てたようにバッグを机に置いた友香ちゃんは椅子に腰を下ろしたあと、そっと私の制服の裾をつかんできた。


そして、小さく耳打ちしてくる。



「女子があさひと矢代くんのこと噂してる……」

「……!」

「やけに騒がしいのはそれもあるみたい。美結が、あんたたちが幼なじみだって」


「えっ……えええ……」


こ、困る……。

瑞季くん、うんざりするだろうな。



でも、みんなの前で私のこと嫌いって言ってたから、ヘンな誤解されることはないはず。