「じゃあ、もう行くね……お大事に」 おかゆを部屋に運ぶという使命を果たした私は、気まずい空気が流れないうちにとすばやく背を向ける。 すると、すぐ後ろでギシっとスプリングが軋む音がして、「なあ」と引き止められた。 「行かないで、お願い」 薄暗い部屋に響いた声。 熱い血液が体内を巡る。 「──って言ったら、ずっとここにいてくれんの?」