車とは思えない空間の広さに思わずため息が出る。
シートっていうよりも高級ソファーだ。外から見ると背が低く見えるけど、全然そんなことない。
濡れた肩周りを拭くのも忘れて高級な内装に見とれてしまった。
「あさひ様」
「は、はい……っ」
生駒さんから声をかけられると、なぜか姿勢をただしてしまう。
「今晩は誠に申し訳ございません。瑞季様のこと、よろしくお願いいたします」
「はい。……え?」
今晩?
よろしくお願いいたしますって、何が……?
「お母様には既にわたくしの方から連絡をさせて頂いております」
「え?」
「夕食もあさひ様の分までご用意しておりますのでご安心ください」



