「こっち来な」
低い声。
掴んでいた手が握り返された。
手を引かれて歩いてることに戸惑う。
雨が降ってて。視界が悪くて。おまけに外も暗くて。
現実味が、ない……。
だけど自分の心臓はいやってほど鳴り響いてて、指先から伝わる熱にクラクラする。
お店の角を曲がったら、屋根がある通りに出た。
そっと手が離される。
「傘閉じれば」
「あっ、うん」
「ここ抜けたら、車待たせてあるから」
「えっ?」
「生駒(いこま)さんに迎え頼んどいた」
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