昇降口の扉を開けたとたん瑞季くんは身を震わせた。 屋根がついてるから濡れはしないんだけど、風があるせいで斜めから水滴が入り込んでくる。 「傘早く」 「う、うん」 ぎこちない手つきで留具を外して、瑞季くんに当たらないように気をつけて開いた。 「ちっさ」 「ごめん、濡れちゃうよね……」 「別にいい。……貸して」 自然な流れで私の手から傘を掴みとる瑞季くん。手が当たって、思わず見上げてしまった。