美結ちゃんの言葉をさえぎった声。


落ち着いて、穏やかで、いつもの瑞季くんのトーン。

感情を読ませてくれない、ずるい声。



微笑んでる瑞季くんの顔をみて、なんだかイヤな予感がした。



「隠してたみたいになってなんか申し訳ないんだけど、ほんとにそんなつもりはなくてさ」


何を言い出すの……? 瑞季くん。



「家が近いのもあって、確かに昔はよく遊んだりしてたけど、ほんとにそれだけで」



皆、瑞季くんに視線を向けたまま黙って話を聞いている。

私だけが、うまく瑞季くんを見れずに下を向いて。



「でも、昔から好きになれないんだよね」



瑞季くんが私を見たのがわかった。そしてまた、すぐにそらす。



「はっきり言わせてもらえば、嫌いなんだ。あさひのこと」



ふらりと視界がゆれて

一瞬、

真っ暗になった───