いつだって一直線に、目が合うことに感動したのかも。

私と同じように、柊くんも私を目で追っているって実感して、嬉しかったのかも。


それなのに私、動けなくて。話しかけられなくて。嫉妬までしてる自分に、がっかりしたのかも。


かっこわるい。身勝手だ。こんな風に追いかけてもらって、やめてほしいって思ってる私は、自分の情けなさを見られたくないことに必死で。


柊くんの欲しい言葉ひとつも、かけてあげられない。


「……無理、です」


こんな私。いつか絶対、嫌われてしまう。


「彼女、なんて……そんな、特別なもの……」


なれるわけがないんだ。


最初から、わかってたことじゃない。


似合わない。釣り合わない。そんなわかり切ったことを無視してみても。柊くんの彼女になれたら、きっとすごく、すごくしあわせだろうなって、繰り返し想像してみても。違和感しか、なくて。


柊くんの隣にいるのはもっとかわいくて、明るくて、私みたいな子じゃないほうが、ずっとしっくりくるなあ……って、苦笑したんだ。


それでも告白されたから。返事を待ってくれたから。柄にもなく帰りを待ってみたり、デートしてみたり、楽しかったけれど。優しくされて、笑ってくれて、嬉しかったけれど。


今日出す答えもやっぱり、変わらないんだ。


「ごめん、なさい……」


柊くんの彼女、なんて。


私には到底、なれそうにないんです。