「そうだろそうだろ。俺的オススメポイントは神出鬼没ゆえのレア感で、かと言って探しても絶対見つからないわけじゃあない、宝探し感な!」


へっへー、と得意げに笑うふっくんの判定ポイントはよくわからないけど、今度は咲とも食べに行きたいと思っていた。まあ、朝のアレで何も話せてないんですが。


「なんだ。デートでもしたのか」


小鷹くんの意外そうな声に、ふっくんの笑顔が固まる。私も私で、内心かなり動揺した。


「あー……まあ、土曜に、ちょっと」


あ、れ……? 面倒そうというか、不機嫌そうというか、歯切れ悪く返事をした柊くんを見て思う。


私もしかしなくても、言っちゃいけない話題を出した? ていうか、土曜のこと、話してなかったんだ……。


「ひまりテメェーーー!!」

「うわあ! 何っ!」

「俺が聞きてーわ! 咲と行ったんじゃねーのかよ! びっくりだよ! さらっと自分のデートプランに組み込みやがって! つーかいつの間にデートなん、てぇっ!」


スパァン! ふっくんの額から小気味いい音が出る。ひ、柊くんの平手、恐るべし……。


「おまえ、本当、いい加減に学習したらどうだ?」


動じない小鷹くんにため息までつかれて、ふっくんはまた涙目になり始めた。あ、おでこ赤くなってる。