そうだよね。いい加減、するべきだよね。


初デートが楽しかったからって、ふわふわへらへらしてる場合じゃなかった。ここが、ゴールなわけないじゃん。


もう２週間以上。柊くんは“返事”を急かさない。


“保留”を望んだ私に付き合って、今まで通り接してくれる。その代わりに気持ちを隠さず、攻めの手を休めることもない。


私は返事を待ってもらうことで、柊くんの気持ちだったり、人気ぶりだったりを、改めて思い知った。だけどそんなことは私にとっても目新しいことじゃない。


なんのために“保留”にしたのか。いつかは出す返事の“理由”を、私は固めていかなくちゃいけないんだ。



はあ、とため息をこぼした昼休み。提出物を担当教員まで渡しに行こうと教室を出ると、廊下の先に柊くんたちを見つけた。私はひとり。向こうは小鷹くんとふっくんもいた。


今日の柊くんは遅刻ギリギリだったから、実はまだ話してない。メールなら昨日もしたけど、土曜日にデートをしてから直接話しては、ない。


おはよう、って言うべきだろうか。もうお昼なのに？　こんにちは、は違う。それは絶対違う。


だからって他愛ない話題も浮かばないし……あああああそうこうしてる内に距離が！　前はどうしてたんだっけ!?　ていうか私から話し掛けたことってあったっけ!?