「座っていいか」

「……え」


顔を上げると、いつのまにか小鷹くんがいて、私とふっくんの間の割り込むように腰かけてくるものだから驚いた。


「いやいや……何これ、せまっ。なんなんだよ急に!」


ふっくんは至って冷静な小鷹くんに噛みつくけれど、「メグの代わり」と告げられた途端、顔を引き攣らせた。


……代わり、って。


「邪魔してこいだとさ」

「おま……それ言っていいのかよっ」

「言うなとは口止めされてない」

「ハァーン!? 俺が気まずくなるのはいいってか!」

「知らん」

ため息をこぼした小鷹くんがちらっと視線をよこす。


「俺からすればメグもひまりも何をしてるんだ?」


仰る通りで……。

面倒なことに巻き込まれたと言わんばかりの小鷹くんに返す言葉が見つからない。


邪魔してこい、なんて。嬉しい行動のはずなのに。

小鷹くんに頼むくらいなら、柊くん本人が来てくれたらいいのにって思ってしまった。


……ほんと何がしたいんだろう、私たち。


「あのなあ! 俺は俺でひまりの相談に乗ってたわけ! それを邪魔したってことは、解決の糸口を失ったってことだからな!? そこ分かってますぅ!?」

「福嗣に相談してどうする……」

「素で引くのやめて傷付く」


はあ、と再びため息をついた小鷹くんにどきりとする。


「やっと付き合ったかと思えば、3日目で問題発生? 俺には何が問題なのかすら、わからないんだが」


身構えた通り、小鷹くんは不可解そうに眉をひそめた。


でもこれは……相談に乗ってくれようとしてる、のかな。