「ひまりんもついに彼女かあ。ていうかメグも相変わらずだよね。昇降口向かってるときにさ、体育館から女子がすんごい来てて。あれって朝練の応援でしょ?」
「出たー。ハイエナー」
「朝練まで応援しに行くって……すごいねえ」
……おかしいな。私の今の気分、幸せとは程遠いんですが。やめてそんな目で見ないで。
「前途多難だね、ひまり」
「うわぁああああ嫌だああああ!!!」
なんでだよ! 付き合ってまだ3日目だよ! もう少し幸せに浸らせてくれたっていいじゃんか!
「えー。そんな心配することなくない? メグがモテるのは前からだし。昨日とかデートしたんじゃないの?」
「したからなんだってのよ。デート中はふたりの世界だとしてもさあ、咲たち学生だから。生活の大半を学校で過ごしてるから。メグ相手に学校でも独り占めしようなんて、彼女でも無理無理!」
ちょ……やめて咲。心臓がえぐられてる。
「でも確かに、変わったな~って感じあんまりしないよね。もう付き合ってるようなもんだったからかなあ?」
「……」
あれ? とマイマイが不思議そうな顔をすると、咲はまたフッと鼻で笑う。
「マイマイそれ、追い打ちだから」
「ええ!? 悪い意味じゃないよ!?」
そうか。付き合ったら変わるってわけじゃないのか……。
彼女って難しいんだなあ!
「な、泣いてる……?」
「泣きそうではある」
「泣かないでひまりん!」
泣くもんか! ていうか、負けるもんか!