柊くんは私のことが好きらしい


「ごめん!!」

顔の前で両手を合わせた柊くんが謝るわけは、運動部ならでは。


「じゃあ、一緒に回るのは厳しいかもね……」

「ごめん、俺から誘っといて、ホンットごめん!」

「仕方ねーって。バスケ部でも出し物するなんて、俺らも今さっき聞いたんだからよー」


携帯を揺らすふっくんの言う通り、バスケ部は毎年お店を出すのが通例になっているらしかった。クラスの出し物に参加するのは自由だけど、部を優先するように、と連絡が入ったのだとか。


全員強制参加でお店を出すのは野球部くらいかと思ってたんだけどなあ。


部のことは詳しくないけど、柊くんがクラスの出し物に不参加なんて、クラスメイトが許すはずない。


「残念だけど、こればっかりは仕方ないよ」

「そうかもしんないけどさぁ~……」

「バスケ部のお店も行くから」

「んあー」と頭を抱える柊くんには、暫く何を言っても無駄かもしれない。


告白されてから初めて迎える大きな学校行事。私だって一緒に回りたかったけど……前半はバスケ部、後半はクラスに参加となれば、ふたりで回れる時間を確保するのは厳しそう。だから柊くんは謝ったんだろうし……。


それがなくとも柊くんはメインに据えられて、引っ張りだこに決まってる。


ああ……学園祭で背景に溶け込む自分が容易に想像できちゃうな……。


ベランダでしゃがみ込む3人の隙間に、沈黙が流れ込む。