「勘違いした福嗣が頑張るの図」
……そうね。それも、あるある。
主に柊くんと小鷹くんを応援してるんだろうけど、ふっくん含めて他の男子も悪い気はしないはず。
授業での試合にしては、かなり盛り上がってるほうだと思う。
キャーッと応援に勤しんでいた女子グループが飛び跳ねたり、手を取り合ったりする。ということは、柊くんたちが勝ったんだろう。
試合が終わっても囲む横居さんたちや、囲まれる柊くんたちの様子は、教室にいるときと変わりない。
笑顔で、楽しそうに、わいわいと……世界の中心が、そこであるみたいに。
長く吹かれた笛の音に、顔を背けたことを咎められた気になった。
「散らばってないで、次! 女子の試合もやるよっ」
「えぇ~!!」
横居さんたちが真っ先に不満を漏らすも、女性である体育教師は聞く耳を持たず、他の女子も呼び寄せ始める。
体育は嫌いじゃないけど……これは、なあ……。
「ちょうど6対6! いいね、燃える!」
「咲やりたくな~い。外野がいー」
自然とキラキラグループVSモブグループみたいになってる。いや勝手に振り分けちゃって失礼なんだけど、
「がんばれー!」
「負けたらジュースなー」
「はあ!? 絶対勝つし!」
さっきまで応援される側だった男子たちが応援する側に回って、試合前から勝者が決まってるような雰囲気だ。


