世界が終わる音を聴いた


「ごちそうさま。やっぱり美味しいわね」
「うん、そうだね」
「ありがとうございます」

賑やかな食事を終えて、私たちはお会計を済ませる。
お店はまだ賑わいを見せているし、ウェイティングも出ているようだ。
時刻は間も無く1時になるところで、外に出ると日は高く太陽がギラギラと射してくる。
午前中にお墓参りにいくというのは正解だった。
もとより、予定があったからとは言っても、お昼も過ぎてから行ってたら、暑くて熱中症にでもなってしまう。
立ち並ぶ一軒家の前には打ち水をした跡が残っているけれど、きっとすぐにでも乾いてしまうだろう。
熱のこもった車に乗り込み、クーラーが効き出す前に自宅につく。

「ただいまぁ」

語尾がだれてしまうのはもう、この暑さだ、多目に見てほしい。
誰もいない家に向かって叫んで玄関扉を開けると、室内もやはり同じく蒸し暑く、荷物を置くより先に、すぐさま冷房のリモコンを探した。
ピッ、と反応がありエアコンが温度を感知すると温度35℃と表示されている。
体感温度はもっと高いのだろう。
ようやく荷物をおき、部屋が涼しくなるのを待とうと椅子に座った瞬間に両親が入った来た。

「あんた、くつろぐのはまだ早いでしょ。とりあえず荷物、部屋に置いてきなさいよ」
「今座ったとこなのにぃ」
「お客さんあるんだから、しゃんとする!」
「はぁい」

母の元気は何由来なのか、たまに知りたくなることがある。
言われたまま、私は荷物をもって立ち上がった。
冷房のついていなかった自室は当然、蒸し暑くてその空気にガクリと肩を落とした。