「悪いんだけど、この用紙に記入してね。」
と医務室利用の紙を渡される。
課と役職と名前を書き渡す。

「まず、下着姿になってもらって見たわ。

結果から言うと、痣は全身。
遅くても二週間以上たってるわ。
あれだけ身体中にあるってことは毎日のように何かされてたとしか考えられない。

次に、切り傷も数ヵ所あった。
これは角度からして自分でしたものではないわ。
見た感じ定規か何かだとは思うけれど...
後は睡眠を取っていないようね。
食事もほとんど食べれてないみたい。
軽く見ただけでも、胃潰瘍の可能性は高いわ。
良く倒れなかったと思うくらいよ。

あなた上司よね?
気づかなかったの?」

ここまで聞いて、何も言い返せず、
自分が彼女にいった言葉がとても無責任なことだと思い知らされた。
俺は何を見てたんだ...

「ちょっと聞いてる?

彼女は何も言わなかったけど、これ診断書ね。
この医務室は近くの総合病院と提携してるし、
私も勤務医だから紹介状も書いておくわ。」

「有難うございます。

他にもこういった件で来た人は居ますか?」

「たまにいるわね。
でもここまでひどいのは初めてよ。
その前に辞める人が多いから。
今日か明日にでも病院に行くように伝えてくれる?
明日なら私が病院にいるけど。」

「予約制ですか?」

「その方が早いけど予約する?」

「お願いします。」

「そうね...9時しか空いてないけど...大丈夫かしら?」

「はい。よろしくお願いします。」