スーツ姿のままユカを自宅へと送っていく。 途中、手土産のケーキを買いながら、セリフの打ち合わせをする。 僕らのテンションは異常なまで盛り上がり、怪訝そうに見る店員などおかまいなしに喋り続けた。 「いやな、横じゃダメなんだよ。こう斜め後ろに、いつもの自分じゃあり得ないくらい小さくなって、若干こっちに寄り添い気味に座るのな」 「うん! うん! で? で?」 「それでな……」 こんな風に僕らは、途中の車内でもずっと喋り続けた。 これから実行するいたずらに、ワクワクしながらドキドキしながら。