「クソッ!割れねえ。何とかならないか?」

「ルーカス……退いてくれ」そう言い、自分の指を噛み、血を出す。

一瞬リアムやルーカスの目が光ったが構わない。ただ与えなければ良いだけだ。
血には血を……
見えない壁に血で魔法陣を書く。
かなりの出血になったが仕方がない。

そのまま発動させるといとも簡単に壁は消え去り、ルーカスはリアムの元まで飛んでいく。
リアムも防御系だが、攻撃はルーカスの方が上だ。王を助ける手はこれしかないと思い、後ろ手に括られている手に炎の魔法をかける。まだ血が出ていたので、細かい制御はできず、手に火傷を負ったが、直ぐに冷却魔法をかけ、ルーカスに戻ると合図する。

「おっさん、大丈夫か?今から幻界に飛ぶ。掴まってくれ」

「だが……」

「一旦引くだけだ。ルーカス!遊ぶな!離れて戻れ!」

一瞬でルーカスがこちらに来たので、2つ薬の小瓶をわり、幻界へと戻ることには成功した。


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