月曜日が憂鬱だ。
いつも通りの朝なのに、気分はいつも通りに戻ってはくれない。

朝食の後片付けをしながら、私はすでに何度目かわからなくなっているため息をつく。

永屋さんと顔を合わせたらどうしたらいいのだ。

返事もせずに逃げてしまったんだもの、怒ってるよね。
でもでも、告白されるのなんて初めてだもん、テンパるに決まってるじゃん。

心の中ではいつも言いわけしてる気がするけど、それが口に出せないから、人から嫌われるんだよな。
わかってるよ。でも難しいんだもん。

仕事の日なのに、会社用のスマホを、いつまでも電源オフしているわけにもいかない。
電源を入れると、しばらくして永屋さんからショートメッセージが届いた。


【色々ごめん。嫌だったらはっきり言って】


胸がズキンと痛む。

嫌なわけじゃないんですよ。
なんだかんだと、このコミュ障の私が二晩も一緒に過ごせるくらいには会話のできる相手だし。
永屋さんはエリートの割には変に可愛いし、放っておけないところもあるし、嫌いっていうよりはむしろ好きだけど。

でも私二十七歳だもん。
付き合うなら、結婚する人としたい。
いやでも、経験なしのくせにこの発想は図々しいのか?


「あ、もう、時間だ」


さすがに、これ以上だらだらしていては遅刻してしまう。
私は諦めて家を出た。