思わずテレビの集団お見合いの動向を見守る気分で見つめてしまう。
さあ、次はどうする。と、ドキドキしながら見守っていたら、山海さんの指は予想外にこっちに向いた。
「じゃあまず永屋から」
いきなり逃げた!
美波ちゃんに言わせたいんじゃないのか。もしくは自分から言えよ。
と思わないでもなかったけど、この辺の腰抜け具合が山海さんらしいのかもしれない。
拍子抜けした気分で永屋さんのほうを見る。
「俺? そうだなぁ……」
永屋さんはなぜか私をちらりと見たかと思うと、ふっとそらす。
何?
変なものでもついてたかしら。
「責任感や自分の考えがある子がいいかな。自立してるって感じ、よくない?」
永屋さんってやっぱ、仕事ができる子が好きなんだな?
きっと共働き主義なんだろうなぁ。
「…………」
あれ。
なんで私はテンションが下がっているの。関係ないじゃない永屋さんなんて。
「そうか? 俺はやっぱ結婚するなら家庭に入ってくれる人がいいなぁ」
対抗するように言うのは田中さん。
「帰って旨い飯あったら最高じゃん」
意外にも、この人は亭主関白なんだな。
「ていうか、女が家事をするもんだって考えは今どき流行らないですよー。スーパーマンじゃないんですから、仕事して家事もしてとか無理。ね、香澄ちゃん」
美波ちゃんが私に同意を求める。
まあね。どっちもやれってのは私的には勘弁ですね。



