コミュ障なんです!


「いいよなぁ。お前らは成績良くてさ。俺なんか部長からこの間渋い顔で見られてさぁ」


その言葉に、私と美波ちゃんは顔を見合わせる。
永屋さんが今、営業トップなのは知ってるけど、田中さんもいいの……?

疑問が顔に出てしまったのか、山海さんが説明してくれた。


「田中はなんだかんだで成績いいんだぜ? こいつ、空気読まずにどんどん向かっていくからさ。人の懐にいつの間にか入り込んでいくのがうまいんだよな」

「でも取ってくる契約は結構無茶ぶりなの多いですよ」


美波ちゃんが本気で嫌そうな顔をしている。
今までにきっと痛い目に遭ったんだな。


「でもほら、うちの会社、基本的に人がいいじゃん。みんなでなんとか助けてやろーって空気? だから最終的には顧客からの反応も悪くない。営業部は半期ごと成績出したりするけど、田中は四番手くらいかな。俺なんか底辺だから羨ましいよ」

「ああ」


それは分かるかも。三浦さんも永屋さんも助け合おうスタンスあるもんな。
それって助かるけど、無茶をする人を擁護することにもなっちゃうのね。


「ところで、そろそろ食べごろだと思います」


テーブルの中央でぐつぐつと音を立てている鍋。
私と美波ちゃんはさっきすでに食べているので、男性陣を中心に配っていく。