コミュ障なんです!



私がトレンドハウスの設計をメインで担当することになったため、三浦さんのサポートとして、画面の部分的仕様変更で携わっていた湯浜運輸の仕事は、美波ちゃんが受け持つことになった。

一日の業務が終わり近づく16時半。どちらからともなく目くばせをしあって、立ち上がる。


「香澄ちゃん、引き継ぎお願いします」

「はい」


一緒に会議スペースへと向かう途中、ひそひそと囁く声が耳に届く。
神谷さんと川西さんの二人組が、また揃って話をしているみたいなんだけど、それが妙に耳障りだ。

なんか、雰囲気が変なんだよね。
彼女たちが美波ちゃんを見る目が、私に向けるのと同じ感じの嫌な空気で。
もしかしたら私のせいで、美波ちゃんに嫌な思いをさせてるんじゃないだろうか。


「あの、美波ちゃん」

「なに? あ、飲み物いる?」

「いえ、いらないけど。あの……」


私の視線の先、ふたりの女子社員を見て、美波ちゃんは苦笑する。


「気にしなくていいよー」


明るい声。だけど、本当に?
だってずっと三人仲が良かったのに。


「でも私のせいじゃない? 三人、いつも一緒だったのに」

「一緒なわけじゃないよ。私、今まで無理に合わせてたんだもん」

「え?」


思わず立ち止まってしまったら、美波ちゃんは慌てたように私の手を引っ張った。