「とはいえ勉強は怠っちゃ駄目よ? 作ったプログラムの最終確認はあなたがするんだからね?」
「はい」
「できたら、社内サーバーに乗せて使用テスト。そこでOKとなれば、客先導入。お客様の確認を得て完了ってところね」
今までは、設計の一部分しか関わってこなかったのに、これを全部自分で管理するの?
私にできるのかな。
不安になって返事ができずにいたら、永屋さんがポンと背中を叩いた。
「俺も三浦もフォローするし。それに和賀さんならできるって俺は思うよ」
それは、何を根拠に。
思わず眉を顰めて睨んだら、彼はそれを、怖気付いた顔と取ったらしい。
「困ったら助けに行くよ」
爽やかに微笑まれて、ちょっと引く。
助けって……部署も違うのにあなたに助けられるわけないじゃん。
適当なこと言わないでくださいよ。
そんな風にも思うのに、一方で、ヒーローがヒロインに言うみたいなセリフに全身がウズウズする。
やたらに激しく動く心臓がウザったい。
……慣れてないんだからやめてくださいよ。
誰かの言葉にときめくとか、……私が私じゃないみたい。



