だるい。
まだ目も明かないうちから、その感覚だけはあった。
重たい体を何とか動かしたとき、肩が固い胸とぶつかって私は一気に昨晩の記憶を蘇らせる。
密着とまでは言わないけれど、同じベッドの中で寝息を立てているのは間違いなく永屋……もとい洋斗さん。
そして私は裸であると認識したと同時に下腹部の重い痛みも戻ってきた。
「いたたっ」
思わず声に出てしまったら、隣に寝ていた彼が驚いて飛び起きた。
「え? ……なにがあった?」
「い、いえ。なんでもございません」
初エッチの後の体が痛いとか言えるもんか。
ぎこちなく微笑むと察知してくれたのか、「ああ」と言って、髪に手を差し込ん漉きながら、抱き寄せてくれた。
「びっくりした。もうちょっと寝ようよ」
髪のにおいをクンクンと嗅いでくる彼がなんだかかわいい。でもそうすると、私の顔は彼の裸の胸に密着する形になるわけで、正気になったら恥ずかしいんだけど。
言葉を見つけることができずに黙り込んでいると、彼は私の恥じらいになど気づきもせずに直球で突っ込んできた。
「昨日、無理させてごめん。痛かったろ」
「い、いえ」
一応基礎知識としてはあるのですよ、初めては痛いって。しかし痛みの度合いというものは本の知識では仕入れられない。
予想を超える痛みに、まあ泣いたよね。
永屋さんはそんな私をなだめつつ、無理させないからとか言いつつ、結局最後までしたよね。
男の人ってー、ってぶっちゃけちょっと思いました。