コミュ障なんです!


でもやっぱり、私には無理なのかな。
このまま気まずさが続くだけなら、あっちもやりにくいだろう。リーダーなんて引き受けなきゃよかったんだろうか。


「……香澄ちゃんは“変わりたい”って言ってたよ」


美波ちゃんが低い声を出す。神谷さんと川西さんも思わず真顔で彼女を見た。

後ろにいる私も、少し距離を開けた。
今存在に気づかれたら気まずいどころじゃなさすぎる。


「ふたりに不満なんて何も言ってなかったよ。馬鹿になんてしてない。もっとふたりとちゃんと話せるようになりたいって言ってたの。なのに、なんでふたりは最初っから香澄ちゃんのこと受け入れようとしないの?」

「美波」

「頑張って話しかけてるんだよ? 最初っから敵視するのやめてあげてよ」


まっすぐに神谷さんと川西さんを見ながら言う美波ちゃんはすごく格好良かった。
人に合わせちゃうって、嫌われるの怖いって言っていたのに、あのふたりに反論している。
しかもそれって私のためだ。

喉が熱くて痛い。視界が緩む。

おかしいな、私、どっちかというと感動したのに。
ああこれが、嬉しくって泣けるっていうやつなのかしら。

美波ちゃんが頑張ってくれているのに、私が諦めるなんて情けないことできない。

もう一度頑張ろう。
嫌われてても、話しかけてみよう。

そのまま、私は途中コンビニに入ってミルクキャンディを買う。

頭が疲れた時には、結構いいんだよね、この飴。
優しい味がするので、メンタルの弱い私としては結構癒され飴なのだ。

今日はこれ持って話しかけに行こう。
神谷さんも川西さんも、仕事はきちんとしてくれる人たちだもん。
話せばちゃんとわかってくれる。