コミュ障なんです!


「いいえ。大丈夫です」


仕方ないよね。仕事だもん。
あのふたりだって、いくら私が嫌いでもそこは割り切ってくれるだろう。

三浦さんは自席から大きな声を出してふたりにも了解を取る。
ううん、格好いい。行動力もあるし、この人男だったらすごくもてるんだろうなぁ。


「あ、そういえば、あちらの担当に梶さんって方が加わったんですよ」


思い出して、最後に付け加えたら、三浦さんが持っていた書類を落とした。
落ちた紙は机にぶつかって四方に散らばり、私と渡辺部長が慌てて拾い上げる。


「どうした三浦」

「三浦さん?」

「……いえ、何でもないわ。すみません、拾わせちゃって」

「あの……」


ただならぬ様子に三浦さんを凝視していると、彼女は何か思いついたように瞬きをして、次に口を開いたときはもういつも通りの彼女に戻っていた。


「和賀さん、会議室、押さえておいて。そしてそれまでに、資料もちょっと直してちょうだい」

「はい!」


十六時までにかよ。
脳内でやることを洗い出し時間配分を考えてみる。
まったく余裕などないじゃないか。慌てて机に戻り、会議室予約と資料作りに奔走した。