"勉強して、いい大学に入って、いい就職先を見つけ、いいお婿さんを見つけなさい。"


ずっとそういわれ続けて育った私は、
子供の頃から高学歴のお母さんの期待に応えるため、ひたすら勉強だけをしてきた。


友達なんてほとんどいない。
私には必要ないんだ。


「ねー桜子ちゃん!」


だから、このキャラメル色の髪の毛をして、ピアスに指輪、そしてもはや制服でもない服をブレザーの下に着ている、
このいかにもヤンキーな大津快斗は私の人生には必要ない。


「しつこい。
話しかけないで。」


そしてなにより
この派手な男と私は釣り合っていない。


「快斗おはよー!」


「おう、おはよ!」


この、男子にも女子にも人気のある
この男とは…………