「明日、愛美やタケルくんは誰と回るかって話、菜乃花知ってたりする?」



さりげなく聞いてみると。



「うん。さっき、要くんからラインで教えてもらったんだけど、愛美ちゃんは、同じ陸上部の狩野くんと。タケルくんは、シオンちゃんと回るみたいだよ」


「そっか。それより、菜乃花。さっきからやたらスマホ触ってると思ったら、けっこう要くんと連絡取り合ってるんだね」


「……えっ!……うん。取り合ってる方、なのかな……。あたし、今まで男の子とラインなんてしたことがなかったから、基準がわからないけど……」



再び、恥ずかしそうにする菜乃花。


よく、恋する女の子って可愛いっていうけど、それ当たってる。


菜乃花見てるとそう思う。


それに、要くんてクールに見えるのに、好きな子にはけっこう積極的だし、マメに連絡もくれるタイプなんだね。


うらやましい……なんて、ちょっと思ったり。


何はともあれ、菜乃花の恋も順調そうだし、愛美も回る相手をしっかり見つけてるみたいだし、タケルくんがシオンと回るのは予想外だったけど、明日がみんなにとって最高の一日になることを祈りながら、その夜は眠りについたのだった──。