「じゃあ、また学校でな。いってきます」


「いってらっしゃい」



玄関で見送りしてくれるとか、ほんと新婚気分。


美月と結婚したら、毎朝こんな幸せな気持ちで一日のスタートをきれんのかな?


気分よく外に出ると、昨日の夜の雷雨なんかウソみたいに、秋晴れの気持ちいい青空が広がっていた。



「おはよう、要。昨日は悪かったな」



学校に着き、更衣室で遭遇した要に声をかける。



「大地は具合悪かったことになってるからな。それより、あのあと美月ちゃんは大丈夫だったのか?」


「あぁ、寝不足だったみたいでさ」


「もうすぐ中間テストも近いし、無理してたのかもな」


「……そうかもな」



俺は苦笑いしてやり過ごした。


やっぱり、ウソつくのは苦手だ。


つーか、中間テスト。


要に言われるまで気にも止めてなかったけど、もうそんな時期か……。


俺も少しずつ勉強しないとな。


中間テストのあとは、修学旅行もあるしな。


美月と同じ班になれたし、マジで楽しみでしかたない。


けど、この高校に転校してからずっと気になることがあった。