「……あ、家、ここだから、」 緊張してたから、永遠にも感じた。 でもドキドキしてたから、一瞬にも感じた。 いつの間にか私の家の前に着いていて、名残惜しいなんて思いながらも声をかけると、立ち止まる倉科くん。 「……そういえば、用ってなんだったの?」 こっちの方って、何か寄るようなお店とかあったっけ。 あるのはコンビニが一軒くらい。 だけどコンビニなら、倉科くんの家の方にもあるはずなのに。 「あー、うん」 「……?」 「……これ、渡そうと思って」 差し出されたのは、小さくて可愛い紙袋。