そっと、近づく顔。 「目、閉じて」 耳元で囁く唯くんに、ぴく、と肩が揺れる。 優しく、宝物に触れるみたいに軽く触れた唇。 ゆっくり目を開けたら、唯くんの綺麗な瞳が目の前にあって。吸い込まれてしまいそうな色素の薄めの茶色い瞳に、とらわれてしまった。 「唯、くん」 「キス、したかったの?」 「っ……」 答えなんてわかりきってる意地悪な質問に、こくり、うなずく。 唯くんは満足げに微笑んで、私の頭を撫でる。