「柑奈、ちょっと来て!」



私が、クラスのみんなと屋台で、出来上がった焼きそばをケースに入れて、輪ゴムを留める係をしていた時。


休憩中のはずの優ちゃんが、楽しそうな顔をしてやってきた。



「え、でも、いま当番だし……」



私が断ろうとしていると、焼きそばを焼く係をしていた山口くんが、

「いや、今ちょうどお客さんいないしいいよ。百井さん、すごく頑張ってくれてたし、遊んでおいでよ」

そう言ってくれたので、私もお礼を言って、優ちゃんについていった。




「どこ行くの?」

そう聞いても優ちゃんは答えてくれずに、ずんずん校舎に入って、階段を上がる。