……あれ、でも、さっきよりなんか涼しいな。 そう思って隣を見れば、唯くんが自分を扇ぐふりをして、団扇で私の方に風を送ってくれている。 そのさりげない優しさに、大切にされてるなあと実感してキュンとした。 「唯くん」 「あ?」 「一緒に文化祭まわろうね」 「当たり前だろ」 そっか、当たり前って思ってくれてるんだ。 唯くんの思う未来に、当然のように私がいるっていうのが、たまらなく幸せだ。 1人でニヤニヤしていると、 「何笑ってんの、怖いんだけど」 なんて言われてしまったけれど。