変な趣味の人として広まりそうだ、と思っていると、誰かがロビーの外からこちらを覗いているのが見えた。
真冬だ。
ノースリーブは着ていないが。
「モスクワに居るんじゃなかったんですか」
と思わず呟くと、
「うち出てったの、さっきだろ」
と貴継が後ろから言ってくる。
ちょっと、どきりとしてしまっていた。
貴継の口から、『うち』という言葉が出たことに。
そうなんですよね。
貴継さんにとっては、もうあそこがうちなんですよね。
だったら、もう、会社にも、あの屋敷にも――
過去のものには囚われないでください、と思ったのだが、貴継の気持ちを思って言えなかった。
「行ってこい」
と背中を突かれる。
「俺がお前の出社は確認したから、会社には来てるってことで」
お使いだ、と小銭を渡される。
「そこのコンビニで切手買ってこい。」
切手、棚にあったけど、と思いながらも、はいっ、とそれを手に玄関を出た。
真冬だ。
ノースリーブは着ていないが。
「モスクワに居るんじゃなかったんですか」
と思わず呟くと、
「うち出てったの、さっきだろ」
と貴継が後ろから言ってくる。
ちょっと、どきりとしてしまっていた。
貴継の口から、『うち』という言葉が出たことに。
そうなんですよね。
貴継さんにとっては、もうあそこがうちなんですよね。
だったら、もう、会社にも、あの屋敷にも――
過去のものには囚われないでください、と思ったのだが、貴継の気持ちを思って言えなかった。
「行ってこい」
と背中を突かれる。
「俺がお前の出社は確認したから、会社には来てるってことで」
お使いだ、と小銭を渡される。
「そこのコンビニで切手買ってこい。」
切手、棚にあったけど、と思いながらも、はいっ、とそれを手に玄関を出た。



