ケダモノ、148円ナリ

「強引な真似はやめろ。
 会社を取り戻しても、社員の心はつなぎ止められないぞ。

 お前が優秀なのはわかっている。
 もう少し時期を見ろ。

 お前は若すぎるし、クーデターで追い出された創業者一族のイメージもまだ強すぎる」

「お前は俺に説教しに来たのか」

 ついでだ、と言い、顕人は立ち上がる。

「お前と明日実が結婚するのなら、お前にみんなにそしられるような真似はして欲しくない。
 明日実まで同じ穴のムジナだと見られるからな。

 いや。

 だがもう関係ないか。

 お前が会社を奪還するのなら、俺は明日実を奪還するっ」

「……ついに本性出してきたな」
と貴継が自分を見下ろす顕人を見て、にやりと笑う。

「よく見ろ、明日実。
 これがお前の慕ってきた、おにいさまの本性だ。

 俺よりもっとタチが悪いぞ。
 お前が血を分けた妹だと知っているのに」