ケダモノ、148円ナリ

 なにかちょっと、顕人が可哀想な気がするが、と思っていたが、
「顕人から得た教訓よ。
 他の女に気が向いてる男は、二度と選ばない」
と言い出した。

「そうだったんですか?
 意外ですね。
 おにいさまが、そういういい加減な方とは思いませんでしたが。

 ……いてて」

 何故だろう。
 鼻をつままれてしまった。

 鏡花はグラスを手に、
「あのロリコンめ」
と呟いている。

「まあ、顕人に、まるきり気持ちが残ってないかって言うと、ほんとは嘘になるけどさ」
と爆弾発言をしたあとで、

「で、あんたそれ、まさか、婚約指輪だなんて言わないわよね」
と訊いてきた。

「そんなんじゃないですけど。
 でも、大事な指輪です。

 貴継さんのお父様が勧めてくださって、貴継さんが買ってくださって」

 あの屋敷ではめてくれた。

 貴継さんの大事なあのお屋敷で――。