ケダモノ、148円ナリ

「お前こそ、浮気するなよ。

 出張先から、電話するからな。
 必ず、何処か行っとけよ。

 家に居たら、警察に通報するぞ」

 なんて通報する気だ。

 住人が家に居るんですが?

 あんた、誰なんですかって言われるぞ、と思っている間に、貴継は勝手に明日実の腕をつまんで見ている。

「ぷにぷにだな」

「いけませんかっ?」

「女ってのは、なんで細くても柔らかいんだろうな?」

「貴方に、ぷにぷにされるくらいなら、明日からジムに通って、ムキムキになりますっ」

「……無理だろう」
と根性なしな自分を知っている貴継は呟いていた。

「もういいだろう。
 明日実、観念しろ」

 そう威厳を持って言うのを聞いたとき、あのお白州の貴継の姿が浮かんだ。

 お奉行様の格好をして、片肌を脱いでいる。

 ……似合うな、とつい、思ってしまった。

 だが、すぐに正気に返る。

「だっ、駄目ですっ、そんなことっ。
 まだ、結婚もしていないのにっ」