「言えませんっ。
あの~、やっぱり帰りませんか?」
私、簡易トイレとか嫌です、とソファに座り直して言うと、貴継は舌打ちをし、
「余計な電話で正気に返ったな」
と言ったが、自分も此処に泊まる気は失せていたのか、立ち上がり、大きく伸びをしていた。
「ついでに温泉にでも入って帰るか」
と言う貴継に、
「混浴は嫌ですよ」
と言うと、
「大丈夫だ。
家族風呂だ」
と言われる。
いや……全然大丈夫じゃないですよね、それ。
温泉も遠慮しようと、荷物を手に帰ろうとしたが、
「待て、明日実」
と呼び止められる。
立ち上がろうとした肩を押さえられ、
「さっき買ってやったの貸せ」
と言われる。
水族館のマークの入ったビニール袋から、イルカを出して渡すと、貴継は、阿呆か、と言い、同じ袋から、イルカのリングを出してきた。
ソファに座ると、それを明日実の手にはめ、キスしてくる。
「行こう」
と貴継は立ち上がった。
あの~、やっぱり帰りませんか?」
私、簡易トイレとか嫌です、とソファに座り直して言うと、貴継は舌打ちをし、
「余計な電話で正気に返ったな」
と言ったが、自分も此処に泊まる気は失せていたのか、立ち上がり、大きく伸びをしていた。
「ついでに温泉にでも入って帰るか」
と言う貴継に、
「混浴は嫌ですよ」
と言うと、
「大丈夫だ。
家族風呂だ」
と言われる。
いや……全然大丈夫じゃないですよね、それ。
温泉も遠慮しようと、荷物を手に帰ろうとしたが、
「待て、明日実」
と呼び止められる。
立ち上がろうとした肩を押さえられ、
「さっき買ってやったの貸せ」
と言われる。
水族館のマークの入ったビニール袋から、イルカを出して渡すと、貴継は、阿呆か、と言い、同じ袋から、イルカのリングを出してきた。
ソファに座ると、それを明日実の手にはめ、キスしてくる。
「行こう」
と貴継は立ち上がった。