男がなにやらゴージャスそうな女にドアを開けてやっている。
遠目でよくは見えないが、もしや、あれがこの人の恋人とか? と思っていると、
「断るなら、全部お前の『おにいさま』とやらにバラすぞ」
と貴継は脅してくる。
「稲本顕人か。
名前は聞いたことあるな」
と唐突に呟くので、
「えっ。
なんでですかっ」
と訊くと、貴継は、
「いや、仕事の関係で」
と言う。
「穏やかそうな顔をして、かなりの切れ者だとか。
お前は惚けた顔で、なにか隠し技でもないのか。
佐野明日実」
「隠し技?」
……耳で餃子とか?
言ったら殴られそうなので、さすがに、そこは黙った。
もう少し実用的な技だろうか?
少し考え、
「そうだ。
百円玉二枚を三枚に見せることが出来ます」
と財布を探している間に、
「それは、隠し芸だ。
行くぞ」
と貴継は腕をつかんだまま、レジに向かう。
遠目でよくは見えないが、もしや、あれがこの人の恋人とか? と思っていると、
「断るなら、全部お前の『おにいさま』とやらにバラすぞ」
と貴継は脅してくる。
「稲本顕人か。
名前は聞いたことあるな」
と唐突に呟くので、
「えっ。
なんでですかっ」
と訊くと、貴継は、
「いや、仕事の関係で」
と言う。
「穏やかそうな顔をして、かなりの切れ者だとか。
お前は惚けた顔で、なにか隠し技でもないのか。
佐野明日実」
「隠し技?」
……耳で餃子とか?
言ったら殴られそうなので、さすがに、そこは黙った。
もう少し実用的な技だろうか?
少し考え、
「そうだ。
百円玉二枚を三枚に見せることが出来ます」
と財布を探している間に、
「それは、隠し芸だ。
行くぞ」
と貴継は腕をつかんだまま、レジに向かう。



