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「おー来たか・・・って暁里どうした?疲れてね?」

「だ、だって、恵理奈ちゃん赤信号無視するし、車道走るし、坂道にブレーキは使わないし・・・ッ!!」

「恵理奈―。警察の前だけは通るなよ?」

「はぁい!」

「突っ込むのはそこじゃないでしょ、馬鹿陸斗!!」



脱力して玄関にしゃがみこむ私の耳に、陸斗の能天気な声と恵理奈ちゃんの元気な声が飛び込んでくる。

もう心臓が何個あっても足りないという危険性とスピードとスリル。

思い出しても鳥肌が経つ。

まだまだ息の整わない私に「とりあえず上がれよ」という陸斗と「何飲みますー?」という恵理奈ちゃんの声。

こ、この非常識さと能天気さ、本当に兄妹かもしれない・・・ッ!!

私はふらふらとした足取りで靴を脱ぎ、

「お邪魔します」と蚊が遠くで鳴くような声で挨拶しながら上がりこむ。



そしてまっすぐ廊下を進んだ突き当りのリビングで、固まった。



「どうして・・・ッ?」

「―――・・・よぉ。」



だって、そこにいたのは、