「メリークリスマス、暁里。

俺からのクリスマスプレゼント・・・って、俺かっこつけすぎ?」



少し恥ずかしそうにはにかむユウの手に握られているのはネバーランドのペアチケット。

大きな遊園地ではないけれど、決して安くはないのに。

用意してくれてたってことは、私を誘おうとしてくれてたのかな。

そう思ったら驚きよりどんどん嬉しさがこみ上げてきて。



「ありがとう!」



と全力で笑った。

「どういたしまして。」とユウが笑う。



「じゃ、私がご飯は奢るね。」

「それじゃぁプレゼントの意味ねぇじゃん。」

「あ、そっか。」



そんな他愛もない話が、妙に幸せ。

これが最後だと分かっていても、

らしくなさすぎるユウだからこれは演技かもしれなくても、

私は“今”、すごく幸せだと感じる。

周りから見えたら、普通のカップルに見えるんだろうか。

そんなこと考える私が今いるなんて、きっと三ヶ月前の私は思いもしなかっただろう。

タイムマシンで教えに行ったら、

きっと感情も表情もなく一言「は?」って言うんだろうな。

ユウの隣を歩きながら一人でフフッと笑うと、



「どうした?」



とユウは私の顔を覗き込んだ。