―――・・・え?
私も、望果も、准君も固まった。
それを見てみぃは「知らなかったんだー・・・じゃぁ、ただのデマかなぁこっちは。」なんて、
私から手を離し腕を組みながらブツブツ呟いている。
そっか。
私馬鹿かも。
自分のことばっかりで、ユウのほうの気持ちを考えてなかった。
それに、別れた理由も考えてなかった。
考えようともしてなかった。
確かにユウに好きな女の子がいることも考えられることだし、
それが別れる理由になることだってよくある話だ。
・・・まったく、私のさっきの意気込みを返して。
別れてからもアイツは嫌な男だ。
(―――そんなところが、好き・・・なのかも、しれない け、ど。)
ガツンと衝撃が来たのはうそではないけれど、
思ったよりも余韻は無かった。
「あのね、暁里!」
みぃはまた私の肩を掴んだ。
はっと我に返ると、綺麗にラインの引かれた鋭いネコ目がじっと私を捉えていて。
「何?」と言うと、
彼女は思ってもみないことを口にした。
「裕哉を、絶対に取り返すこと!!」