***





「「「ごめん!!!」」」



更衣室から出た瞬間、私はユウと准君と望果に揃って頭を下げられた。

更衣室は男女それぞれ1人分しかないため、順に着替えていって、

それで最後に出て行ったのは私だった。

一瞬びっくりしたけれど、すぐに意味を理解して、「大丈夫だよ」と笑う。



「みぃが手伝ってくれたし、みんなが抜けようとしてくれてたのは知ってたし。

仕方ないでしょ、3人の人気は私わかってるもん。」

「でも!」



渋る望果に、こっちが申し訳なくなる。



「ほら、3人のおかげで売り上げ伸びたし?」

「暁里・・・。」

「次のときに気をつけてくれればいーよ。お疲れ。」



あー、もう仕事終わったし今日は一回帰ろうかなー。

終わる時間頃にまた来ようかなー。

そんなことを考えながら、3人から身を翻した瞬間だった。

右の肘がぐいっと何かに引っ張られて、体の重心が後ろに落ちる。

驚きと転ぶ恐怖に小さく声を上げた気がする。

けれど、私の体はストンと何かにぶつかって、私はきょとんとしながら顔を上げた。

当たる“何か”に頭が擦れる。



「―――なんかあった?お前。」

「!!」



私はすぐ驚きに包まれた。

真上から覗き込むように顔を見せたのは、ユウだったから。

その顔は、なんかちょっとだけ辛そうで、でもそんな表情をする理由がわからない。



「別に、何も?」



体勢もなんだか後ろから抱きしめられてるようで。

(実際は背中にユウが当たって、腕を掴まれてるだけなんだけど。)

バクバクする心臓を押さえつけながら、平静を装って微笑んだ。

「ふーん」と呟くユウは、口調こそ納得しているものの、

不機嫌そうな表情から読み取れば納得なんてしていない。

なんで気づくんだ、こいつ。