ちらりとユウを見ると、ユウももう衣装を貰ってた。

紺と金が見える。どんなデザインなのかな。

少しだけ考えてみる、

けれど、



「裕哉の超かっこいー!!」

「それ絶対似合うよぉ。」

「いいなぁ、私の王子様になってよー!!」



なんて、すぐにラブラブ光線を受けていて。

それを見た瞬間、声が耳に飛び込んで来た瞬間、私は視線を反らした。

反らしたのは、どうして?



女の子に囲まれるユウが嫌だったから?

似合うと思ってしまった自分が嫌だったから?

隣に立つのが私なことが、嫌だったから?

嫌悪感?それとも・・・恥ずかしさ?



どうして多少なりとも「恥ずかしい」なんて思ったんだろう。

慣れてないから、だとは思う け、ど。



手にある白いドレス(ワンピースに近い雰囲気だけどね)をきゅっと握る。

ビニールに包まれているから、くしゃりと音を立てた。



―――私、正直和服の方が好きなのよ。



そんなことを思ってもにやけてしまいそうで、

私は服に顔を埋めた。

洗ったのか、石鹸のにおいがふわりとおこる。

ビニールの冷たさ、それ越しに伝わる布の柔らかさ、優しい匂い。

なんだか気持ちよかった。