思った通り麻生さんと少し会話を交わした後、律くんは隣の彼女と連れ立ってどこかへ消えていった。




「ほんと、懲りないよね」



その光景を同じように見ていたのか、万葉ちゃんが呆れたように吐き出す。


それは律くんへ告白する女の子に対してだろう。



「律の方が美優に夢中ってこと、まだわかんないかな」


「……っ」



律くんがあたしに夢中、なんて。


そう言ってくれるのはうれしいけど、きっとそんなことないよ。


つねに輪の中心にいてワイワイやっている律くんが、あたしなんかで満足できるわけないもん。


面白い話も出来ないあたしは、いつフラれるんじゃないかっていつも不安なの。