いつか、このどうしようもない想いが消えるまで。




……あたしも知りたいよ、律くん……。


見つめ返したあたしの目がどんなだったかなんてわからないけど。



「……美優……?」



それだけで伝わったんだと思う。

あたしが……律くんと小野先生の関係を知ってるって。



「401でのこと。柏木に説明する義務がオマエにはあるんじゃねえの?」



一文字一文字に力を入れて核心に迫る黒崎くんに。



「……黒崎は、外してくれよ」


「…………は?」


「どっちにしたって黒崎には関係のない話だろ?」



律くんは、それを否定せずに黒崎くんを排除しようとした。



え……。

変わっていく話の方向にあたしは戸惑う。


律くんの話は別れ話じゃなかったみたいなのに、やっぱりそっちの方向に話は流れてくの?


別れ話なんて未経験のあたしにとって、それがどんな修羅場になるのか想像しただけで心臓が破れそうに痛い。


ギィィィ…と椅子の音を立てて黒崎くんが立ちあがる。


このまま大人しく教室を出て行っちゃうんだ……。


逃げ出したいのは……あたしの方なのに……。