***
「どうしたの?ぼんやりして」
ハッと我に返れば、そこには制服姿の律くんがいた。
「り、律くんっ……!?」
あれからあたしは……
続きを聞くのが怖くなって、遠回りして教室まで戻ってきたんだ。
律くんの言う通りぼんやりしていたあたしは、部活終了のチャイムまで聞き逃していたみたいで。
「そんなに驚くこと?幽霊でも見たような顔してるけど?」
突然現れた律くんに、必要以上にびっくりしてしまった。
「ゆ、幽霊!?」
「ははっ、わかんないけど多分。幽霊見たらそんな顔になるんじゃないかなー的推測」
「……」
「ほら、ホンモノ。足あるし」
どう?と足を指す律くんに、笑うことさえ忘れ本気で動揺した。
最後くらい……笑顔で出迎えなきゃいけなかったのに。
「……ご、ごめんねっ……」



