バンッと大きな音を立てて扉を開ける。

久しぶりに顔をのぞかせたその部屋はなにも変わった様子がない。



明るいオレンジ色のカーテンに、ベッド。

壁には友だちから誕生日にプレゼントとして渡されていた写真の飾られたコルクボード。

常にお菓子を常備しているボックスを机の上に置いて、部屋の主は呑気にスマホを触りながらポッキーをつまんでいる。



「実加、どういうこと?」



眉間にしわを寄せたまま、キミの前に立った私は、ぱちぱちとまばたきを繰り返す双子の片割れを睨みつけた。

能天気な表情にイライラする。



「どういうことって? なんの話?」



突然部屋に入って来ても怒らないどころかもぐもぐと動かした口をとめる様子も見られない。

理加も食べる? なんて1本差し出してきて、食べるわけないってわかっているくせに。



「三木くんのこと。
実加がふったって聞いたんだけど」



困ったように実加は眉を下げた。

どうやって誤魔化そうかと思っているんだろうけど、私にはそんなもの通用しない。

絶対に本当のことを吐かせてやるんだから、と目を彼女からそらさない。